十六話・新台『エヴァンゲリオン使徒再び』中毒になってしまった…
新入生が入る前に私は川崎の会社を辞めた。
様々な出会いも会った、川崎競馬の厩舎関係者や日刊競馬の大井担当記者、プロ野球選手、全く興味は無いが落語家に地元のヤクザと…
んな事より給料が16万ではやって行けないのが実情である。
私は辞めてからの行動は素早く、職安に速攻で行き雇用保険をフル活用し、半年ほど仕事が見つからない人には、6ヶ月分の前に働いていた会社の給料、半分が支給されるのである。
私は学生時代に働いていた、防水屋のタコ社長に話に行った。
『雇用保険が貰えるまで半年ほど、働かせて下さい、その代わり税務署は通さずにお願いします』
タコは承諾してくれた。
約一年間は毎月の支給とタコの給料で30万を手に入れて一気に消費者金融2社とマルイのカードも返済したのである。
残ったのはセソンカードの10万だけであった。
この空白とも言える一年間はパチンコの調子も悪くなかったために返せていたのだろう。
そして横浜の会社に就職する、給料が16万から23万になり、また実家から通えるため金銭面でも楽になったはずなのだが…
そこのオーナーが私と同じ匂いを醸し出していて強烈な悪友がいる。その悪友(仮:ヒカル)は悪どい商売で汚い金を稼ぎ、性格が悪すぎるのである。
ある日オーナーが朝方に一睡もせずにヒカルと横浜の裏カジノに行ってきたのである。
紙の封筒を私に渡し
『中を見て見て?50入ってるでしよ、危ない勝負をしてきたよ、ヒカルはバカラで熱くなり3千万負けたよ、もう彼とは会わないと思うから…』
私は絶句した
ヒカルは何故か私の事が気に入ってたみたいだが、私にはどうでもいい存在だった。
しかし、人が飛ぶ話は初めてだったため、カジノに行く事は一度も無かった…
横浜の店で一年ほど働いた4月頃にビスティから極めて完璧な台がホールに並ぶ広告をオーナーと目にする。
『クロちゃん、これ打つでしょ?初代の暴走も良かったけど、この台は相当面白いよ』
※オーナーはパチンコ雑誌をほぼ全紙を購入するほどのパチンカーである。
私は暫く博打は止めていた。何故なら当時、波乗りにハマっていたからである。
朝の3時に起きて7時まで波乗りしてから仕事に行く毎日であったためである。
翌週の休みの日にはパチンコを打ちたい欲求のため体がウズウズし、オーナーと2人で開店1時間前から、杉田にある『スティング』に並んでいた。
およそ250人程の並びである。当然である、当時は最も勢いのあるビスティからアニメとタイアップした台だからである。
開店と同時にダッシュを決める、釘をチェックする時間が無いため、前日の好調台をゲットする、私の後ろにはオーナーが席を取れた。
絶妙な演出の、バランスで未だかつてないパチンコであった。突発や暴走モード、擬似連、隠れた隠れ確定演出が盛りだくさんなのである。
しかし、その日は結果的には負けた。
私は釘が死んでいたが面白かったので打ったのだが単発二発喰らって止めた。
オーナーは4箱ほど出していたが時は17時だったのでその日は2人で飲みに行った…
(35000円負けて、財布には五千円しか無かった…)
それからは休みの日はトコトン『使徒再び』にハマってしまった。
気がつくとまた魔法のカードを作っていた。
『アイフル』
年収が上がったのとセソンからの10万しか借入しか無かったためか、いきなり50万の借入審査が通ったのである。
『マジかよ、こんなに貸してくれるのかよ、早速、5万借入て勝負だ!』
こんな日々になったため、また借金生活に突入するのである。
『逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ』
と何度もこの言葉を繰り返し使ってたのは言うまでも無い。
今でもパチンコ・エヴァンゲリオンシリーズでは『使徒再び』こそ歴代最高であると思う。
借入件数2件
借入額20万
毎月の支払い25000円