二十六話・消費者金融への加速装置セットオン。
2018年9月1日
250万の借入をしている公庫の返済まで残り4日である。
6日にビューカード&公庫の引き落としのため6万の入金が必要であるが…
これを使うと妻へ渡す給与が無い…
非常事態である…
これを渡さないと2人分の保険や管理費や通信費が払えないのであるから、困った…
正直、博打なんかやっている場合では無い、どうでもいい。
今すぐにでも25万が必要なんだよ!
もはや、クレジットカードで切符を買い現金化にしようか真剣に悩んでいる。カードの余白はあるが、現金化は基本70%の売買である。
つまり70万を手持ちにしたい場合は100万の購入資金が掛かる、業者は30万の利益である。
とんでもないぼったくりであるが、闇金融とはまた違う。
先月は公庫の返済が遅れてしまったのは痛恨のミスであった。
公庫の借入の利率は2%である。信用、実績が出来れば更に借入が可能であるのに…
先々月にビューカードを使用した事を忘れていた為に引き落としがされなかったのである。
やはり、返済が先である。今日の売上で6万を入金出来る状態になったので先に引き落とし専用の通帳に入金します。
妻よ、給与を渡すのが遅れます。甲斐性の無いクズで申し訳無い…
私は小さな店を持っているために公庫の助けが必要なのは必然なのである。
そんな小さな店で日々、自分を殺して別の自分を出す、まるでパラレルワールドの世界を実体験している。
そして、お客様ともたまに会話をする。
お客さんとの会話で良く聞かれるのが趣味の話題。
客『休日は何をしてるんですか?』
私『映画か本や犬の散歩ですかね』
事実は
『基本は大井の文男を観に行くか川崎ですかね、特に川崎の電光石火のスプリント戦は激アツですよ、まぁその前にジャグラーかエヴァか慶次ですよ、知ってます?ニューギンもフィリーズのエヴァ&慶次は初代以降はクソですよ』
こんな事を話した日には私がクソと思われ、ゴミでも見るかのような視線を受け、次回の来店が無いのは確実。
人類の歴史上、博打打ちで尊敬される人間は皆無である。
かつて、文豪のドストエフスキーは病的賭博者であり賭けに負けて、無理矢理に書かされた作品はかの有名な、『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』『賭博者』であるが、文豪と言われるまでは世間からはゴミのような扱いを受けていたらしい。
私は20代の時にGAや図書館通いをしていた時にドストちゃんと出会い彼の作品は網羅し、ドストエフスキーの病的賭博者の深層心理を分析していたのも事実である。
そう私が初めてGA(ギャンブラーズアノニマス)の門を開けて通い始めた頃とは4号機が全盛の時である。原因はSammyから強烈な台が2004年の2月にデビューしてから半年が経つ頃であった。
Sammy『北斗の拳』
販売市場の記録は未だに抜かれていないバケモノマシーンである。
私は北斗に対して狂人の如く打った…
サブリミナル効果でもあるかの如くに、暇があれば北斗を打った。
借金も比例し、借入額に借入件数も凄まじい勢いで増えて行く。
天井は1997G、誰もが突っ走るのである。
Sammyの開発者は天才としか言えない出来なのである。
バトルボーナスで敵がラオウなら絶望であるが、蹴りやパンチならかわせる可能性が高い。しかし、豪掌派が出たらほぼ負け戦である。
『また2連か…』
リンが『ケーン』と叫ぶ、復活である。
(ユリアが出れば継続率80%なので灼熱)
これが堪らない。
20連を超えるとエンディングが流れる演出もまた良く出来ている。
また、ちまたでは40連や80連した情報や自分の目でも凄まじい爆連を確認したのだからハマらない理由は無い。
スロの醍醐味は連チャンである。
2チェ、スイカ、バラけ目、これが高確率モードに移行し、当たりフラグを引くきっかけになるのだ。
あまりの面白さに私はどっぷりと北斗に魅了されたのである。
この頃の私は相模大野に住んでいた。
駅前にある大型店は『ベルシティ』『コンドル』『ガイア』であった、大型店のホルコンは気に入らないので、私はそこそこ出してくれる小さなスロット専門店で勝負をしていたのだ。
しかし、ある日、ブチ切れる出来事があったため、店名は記憶から抹消している。
そこの、クソ店でマスは60コマのポイントカードをくれた。ビック一回当たれば、店員を呼び、その場でスタンプを一個、押してもらうのだ。
私の仕事は21時までだったが、その時間からでも打ち、休みの日は無論、朝から打った。
理由は、ポイントが60個貯まれば好きな台をその場で設定6にしてくれるからだ。
ポイントを60個貯める為に、私はひと財産を突っ込んでしまった…
設定6が打ちたいがために新規のアイクカード(現在はセディナ)までも作って金を調達したのである。
※手持ちに3枚ある消費者金融カードはこの時点でただの返済専用になっていた…
情け無い…
それはそうと、60個のスタンプが完全に埋まり、設定6を打てる日がやってきた。
大量獲得機のラインナップは『シェイク』『ビンゴ』当たりも、6ならば万枚は射程圏内に入る。
しかし、私はケンシロウに魅了されてしまい、瞬時に北斗を打つと予約し、帰宅した。
翌日の朝一
店員が私の目の前で設定変更し、私は6を確認した。
三万程、突っ込んだ辺りだろう。気がついた事があった。
『野郎…やりやがったな💢』
5時間後に呆れた自分がいた、
見抜けなかった…
まさか北斗の設定打ち替えの確認有りで7万も負けるとは…
『野郎、打ち替えの、打ち替えをしやがったな、どう考えても良くて3、いや設定2だろう💢
ざけやがって…なめんじゃねーぞ💢』
私は店員を呼んで抗議したが、無駄であった。
即、捨てて『お見事サブちゃん』で二万程、取り返したが五万負けである。
サブちゃんにもハマりましたね、何十回も天井寸前でレグを引き、椅子から転げ落ちそうになった事が何度もあるが…
憎い事にこれが、また面白過ぎて、サブロウチャンスの小型液晶でサブちゃんが踊りながら、高確率モードかも知れないと…,
はい、借金が増える要因にもなりました。
私はこれ以降の、打ち直し設定は信じない事にしたのである。
そして借金も大台に乗ってしまった恐怖に、不眠症の症状が出始めてしまったのもこの頃である。
金銭的にも困窮を極め始めたため、一念発起し(パチスロを止める決意を抱き)横浜GAの扉を開けたのであった。
※GAとは病的賭博者を更生させる施設である。
借入件数4件
借入額230万
毎月の支払い10万