博打との死闘

博打のヒリつきに狂い借金を重ねていく実話

五十三話・2010年4月 ブラックの方歓迎!前編 (裏モノ回顧録 )

前回の回顧録から約一年後

 

 

状況はまるで変わっていない。

 

 

給料35万

毎月の返済額を何度も計算をしてみた。

 

29万円…

 

家賃や光熱費を引くと、ほとんどお金が無い。

 

 

もう限界を感じていた。

 

 

頭の中はいつも借金のこと…

 

 

 

本当に毎日が疲れる…

 

 

『携帯電話代の1万円は大きな出費だ…

もはや解約するしかないか?』

 

 

『いや、ダメだ、流石に連絡を誰とも取れないのは怪しまれるし…』

 

 

いっそうの事、オーナーに相談しようと思った…

 

 

いや、ダメだろ…

 

 

 

『はぁー』(深いため息)

 

 

 

 

そんな時に電話が鳴る。

 

 

誰だ?あっ、ヒカルかよ…

こいつと話すと面倒だから着信拒否しようかな…

 

まぁでも電話とらないと後からまた電話かけてくるからな…

 

 

面倒だが、電話に出た。

※ヒカルとは川崎で働いていた頃の3歳上の先輩であり、私に消費者金融の利用を教えてくれた最悪のクズだ。ちなみに岩佐は1歳上の先輩。

 

 

『もしもし…』

 

ヒカル『久しぶりだな、たまには飲みに行こうぜ』

 

 

『ご無沙汰っす、行きたいんですが…

いま金欠なんですよ…』

 

『そうか…

あれだろ?前に話していた借金だろ?』

 

『はい、ヒカルさんに教わった消費者金融のせいで詰みそうなんすよ(嫌味気味に)…』

 

『お前、任意整理をしろよ、もう返せないだろ?俺は任意整理したぞ』

 

 

『ヒカルさんの借金って確か…600万ありましたよね?』

 

 

『そうだよ、任意整理したから今は身軽だよ』

 

 

『そうですか…考えてみます』

 

 

任意整理か…

 

 

この言葉を聞くと凄まじく後ろめたい気持ちになる。

 

 

任意整理(借金で破滅)をしたことが親や友人や同僚に知られてしまうのでは?

 

 

これが怖かった…

人から『あいつギャンブルで破滅したらしいよ、』

 

 

こんな感じで人に思われるのは苦痛であり精神的に耐えられない…

 

 

 

 

とにかくネットで『任意整理』のキーワードを検索しまくった…

 

 

 

 

ん?

 

 

なにこれ?弁護士と相談するだけで【30分・5千円】も取られるの?

 

 

 

おいおい。

 

 

 

 

悪徳弁護士の存在なんか見抜けるわけがないじゃないか!

 

 

 

お金で困って相談するのに5千円って…

 

 

 

相談するのには書類関係も必要だし…

1時間は必要だろ?

 

 

 

 

って一万じゃねーか!

 

 

 

 

ふざけんなぁぁぁぁ!

クソ!ナメやがって…

 

 

 

 

 

 

それからも金策に悩みながら日々を過ごした。

 

 

ある日、電信柱のチラシを目にした。

 

【ブラックの方、歓迎!!】

 

まじかよ…

 

普通は闇金だと一発で分かるが、この時は錯乱状態で藁にもすがる思いであった。

 

 

 

ちょっと電話してみようかな…

ヤバかったらバックれよう…

 

 

 

 

 

 

 

 

話しは変わるが、私が川崎時代に働いていたクズの極みの真骨頂である岩佐とヒカルについて語ろう(私も同じ部類かな…)

 

私が入社した会社は支店も入れると80人近くの従業員がいて、同期は10人近くいた。

 

 

私の配属先は川崎。ここに在籍していたのがヒカルと岩佐。

 

 

岩佐と初めて会った時の会話はスロが始まり。

 

トライアンフで7万負けたよ…』

いきなり裏モノの会話からスタートだ。

 

3.2号機 タイヨー【トライアンフ

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※この台の裏モノは特異な部類であり、貯金方式なのだが400段階のモードが存在していた。

 

『うわ、それ裏モノじゃないっすか?そんなホールが川崎にあるんすか?確か…タイヨーの機種ですよね?タイヨーの台は好きですよ』

※前回紹介した【ミラクルユーフォー】もタイヨーの台。

 

 

岩佐との初対面でこの会話…

 

『岩佐さん、私はグレハンにハマりましたよ、バッキバッキの裏モノですけど知ってます?』

 

3.2号機 エーアイ【グレートハンター】

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リーチ目が特徴的であるが、リール制御に手を加えるバッキバッキの裏モノ。

 

 

岩佐『アホか、知ってんに決まってんべ?グレハンで勝ったことは一度も無いけどね』

 

 

 

私もグレハンとの闘いは記憶から消したい…

 

 

普通は勝った記憶は思い出せるが、ことグレハンに関しては、あまりにも激しい仕様のためか、痛快に負けた記憶しか思い出せない。

 

 

 

ちなみに岩佐は過去に後輩である私の捨てた台(ドリフ大爆笑の潜伏台)のカマ掘りを澄ましたツラで奪うのだからムカつく奴だ。

 

※【CRドリフ大爆笑】の潜伏はドリフターズが地下トンネルを走り抜け、トンネルから落ちると潜伏も落ちたと思い込んでいたが実はその演出も潜伏中と言うふざけた台であった。

 

 

私もお返しの逆パターンで奴のカマ掘りや潜伏を拾うのだから人の事は言えないな…

 

(岩佐以外の人には潜伏を捨てそうになったら教えてあげていた)

 

 

 

そしてヒカル。

彼は強烈なギャンブル狂。彼との初打ちに行った時はビックリしたのを今でも思い出す。

 

 

 

ヒカルのお気に入り台は…

京楽【たぬ吉くん2】

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羽根物であるが、ドットにVが表示されるとパンクされない限り4千発が約束された連チャンタイプのヒット機種。

 

 

ヒカルは【たぬ吉くん2】の台に座ると千円打ったらサイドに移動する荒技、つまりカニ歩きをしながらオスイチ狙いをしているのだ。

それも端から端まで。

 

 

 

その姿を見ていて唖然とした…

 

 

 

こんなアホがこの世にいるのか.、谷村信者か?

 

 

私の場合は【ビックパルサー】やデジパチ【麻雀物語】で負けた日に最後の砦として【たぬ吉くん2】に助けてもらった事がたびたびあったので忘れられない機種である。

 

 

 

 

ちなみにヒカルと連れ打ちする時はいちいち機種の解説をしないと見ていられない。

 

 

 

 

例えば、南国育ちのストック飛ばしで有名な飛ばシックス【設定が6だが内部のストックが0なので自力でフラグを引きそれをストックさせる仕組み】

 

 

私はヒカルに『ストックが無いからヤメた方がいいですよ』とヒカルに忠告したが、彼は忠告を聞かずに飛ばシックスを朝から天井を超えてもレバーを叩き続ける…

 

 

 

 

もうアホの極みとしか言いようが無い。私もわざわざ教えに行くのだからお人好しだ。

 

 

 

 

ちなみにヒカルはトチ狂ったのか、中央競馬の【金盃】でセキテイリューオーの複勝アコムで借りた10万をブチ込んだ猛者である(複勝210円)

 

 

 

あの時のヒカルは借金で追い込まれていたので一緒にいた私まで彼のヒリつき度が伝わってきていた…

 

 

 

 

 

 

まぁ、そんな連中といまだに付き合いがあるのだから人の縁とは不思議なものである。

 

 

 

 

 

話を戻そう。

 

 

【ブラック歓迎】

30万円まで即融資!

 

 

 

精神的に崩壊寸前だった…

チラシが忘れられない…

 

 

 

電話番号は固定電話ではなく090…

 

 

あまりにも怪し過ぎるが、もう本当にお金が無く猜疑心の最中、ついに電話を掛けてみた

 

 

 

 

『もしもし、チラシを見たのですが…』

 

 

 

この時の私はホアキン・フェニックスが演じるジョーカーの心境であった…

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【ギャンブルの借金は身を滅ぼします】

 

借入3855000円

借入件数6件

毎月の支払い29万


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