四十一話・2009年3月
2009年3月
ある日、家に帰ると1通の封筒と手紙が入っていた
封筒の方は差出人の名前が書かれていない。
ん?
なんだこれは、架空請求か?
嫌な予感がしたので玄関先で中を見てみると…
嗚咽が襲ってきた。
それはセディナからの手紙だった
《クロケット様、いつもご利用ありがとうございます。まことに申し訳ないのですが、審査をした結果、お客様の借入状況ですと、現在の【限度額50万】を変更しなければなりません。今の状況ですと【限度額30万】が適切という審査結果が出ました。お手数ですが4月中に差額分【20万円】を一括返済して頂くようお願いします》
読み終えた後に全身から血の気が引き体に悪寒が走った
『なんですか?これは…金が無くて借りているのに一括返済だと?無理に決まってんじゃん…
いやでも、これ何か手を打たないと他の借入業者にも連絡が行くのかな?や、やばい、ど、どうしよ…』
って!いきなり20万なんか無理だろ!
ふざけやがって💢
とりあえず他社の借入限度額を全額借りてギリで10万か…
差し引きあと10万
どうするオレ…
と悩みながらもう一枚入っていた手紙に目を向けると…
なんと!このタイミングでマイホから【新台入替CRキン肉マン】告知手紙であった。
こ、このタイミングはお告げか?
ならば勝負するしか道は無さそうだ…
よし、こいつで10万勝てば問題は解決する
ここは肉(キン肉マン)で勝負だ!
新台入替日二日目、先輩の岩佐と2人で朝7時から並び新台をゲットした
19時
まさかの朝から1800ハマり(投資11万)から単発を引き岩佐はギブ
私は初当たり3回、最高連チャン6連で呑まれてヤメ(投資6万)
2人して死んだ魚の目で口も利かずに帰宅
家に着くといつものように激しい自己嫌悪に陥る
『なんで?なんで?なんで?あんなクソみたいな店で6万も打ってしまったんだ?
キン肉マンは面白かったよ…
またリベンジしたいよ、
いや、いや、そもそも支払いの金で打ったらダメだろ?嗚呼…マジでどうするんだよ』
マズイよ…
シャワーを浴びながら絶叫し発狂する…
支払い日、1日前
どう、かき集めても5万しか無い…
生活費を抜いても3万ならば何とか払える、
どうにか一括返済から分割に出来ないかな…
いや、残された道はそれしか無いんだよ!
やるんだよ!
チクショー!もう電話してやる…腹は括ったから何とかしてもらうしか無い!うぉぉぉぉ!(セディナに電話を掛ける)
勇気を持ってセディナに電話し直談判の交渉を始めた
電話を掛けてから必死に今後の返済方針を納得してもらうまで交渉した…
尋常では無い状況と判断したのか担当者が女性から上司らしき男性に変わった…
急にドスの訊いた男性の声で
『おたく、本当にそれで大丈夫?(上から目線の口調に変わったか…)
来月から一括返済の20万円を3万円づつ返済ね…
ちゃんと払える?』
『はい、来月からは給料も上がりますので必ず返済します』
『ではちゃんと払って下さいね』
ガチャ
あっ
た、助かった…
給料は上がると言ったけどそれは《言葉のあや》だが何とか乗り切った…
でも来月から返済だけで25万って大丈夫か?
この時からの不安のせいで不眠症になっていくのであった…
【パチンコは麻薬】
借入340万
借入件数5件
毎月の支払い25万