五十一話 2009年 2月 悪い癖
2009年2月
苦しい…
日常生活が苦しかった…
給料を貰っても自由に使えるお金が2万しか無いのは尋常ではない。
どうしよう？
毎日返済の事しか考えられない。
財布の中の2万は食費。
全くお金がない…
休日は我慢するしか無かった。
TVを観ているとパチンコ関連の犯罪がよく流れている….
『パチンコごときで犯罪なんかしたら永遠に人生終わりだな』
そんな呑気な事を考えていたがしかし…
『いや、人の事より今の状況を見直す方を優先しないと…』
お金か無いので図書館に通い詰めたりTSUTAYAで DVDを借りたりして出来るだけ節約に励んだ。
370万の借金か…
何か奇跡でも起きないかな…
そんな妄想をしてしまうのだから【ダメ人間】
毎回の事であるがダメ人間になるきっかけの台は…
あの名機か…
私が高校生の頃に誰よりも打ち込んでいた機種と言うのは…
歴代羽根物のキングオブキング！
【ビックシューター】
この台の攻略は役物のクセを見抜く力量が必要であり、寄りやハカマや落としのポイントも大事である(役物のクセが悪いと球がVゾーンからズレてしまうんだよね)
Vゾーンに入る過程が堪らなく気持ち良いのは語るまでもない。
ほぼ、私が打っていた地域は2.5円交換であり約3千発で打ち止め(自動的に球が打てなくなる)
開放台としてまた打てる事もあった。
この当時、パチプロと言うか、無職のおっさん(リーゼントパーマのおっさん)に声をかけられて仲良くなり、共に遠征に出回った記憶がある(新装開店など)
※ネット時代では無い為に当時の情報は非常に重要であった
後におっさんは姿を眩ませて見なくなったが、神奈川のパチ屋で指名手配犯にでもなった事は想像に難しく無い…
(多分、ゴト師と連んでお縄かな…)
そして、パチスロならば、キングオブキング！
【ビックパルサー】
山佐の最高ヒット機種であるのは間違いないが
プラネットも名機である。まずはパルサーについて。
この機種は何と言ってもリーチ目の豊富さが人気になる最大の要因。ホールでリーチ目を拾う事もしばしばあるのだからこれまた堪らない。現在に例えるならGOGOランプがペカってる状況だ。
ちなみにビックパルサーの設定6なら1/219
現役マイジャグラー4の設定6なら1/240
軽めにボーナスが引けるのだから楽しいに決まっている。
※当時は7枚交換が主流ではあったが、高設定も頻繁に入っていたので1万円で遊べたのは事実
バイトをしていた当時、両替を頼まれ、銀行に行く途中にあったパチ屋でリーチ目を拾う事もあった。
たまに連チャンが止まらなくなった時は『どうしよう？』と悩んだもんである。
実に懐かしく素晴らしい時代だったなぁ…とつくづく思う。
話を戻そう。
お金が無い時の最終手段は…
やはり借金しか無かった。
370万の借金があるのにまた借金の申し込みをするのは精神的にかなり辛い。
恥ずかしながら無人契約機で一通りの申し込みをしてみると…
『今回は見送らせて頂きます』
『はい…(鬱気味に)』
当然の結果か…
ただただ、恥ずかしいし情け無い…
そんなある日、返済作業をしていると貸し出し停止中であったアイクが何故か借り入れが可能になった。
(アイクからCFJに変更になった手紙が来てたような…それが理由かな…)
『えっ？』
思わず声が出てしまった…
もろにガッツポーズを心の中でし、速攻で6万を借り入れた。
6万か財布にあると何だかテンションが上がる。余裕が生まれると悪い癖が出る。
そう、そこで考えるのはいつもの悪い癖…
時間は夜の7時。
『よし、ひと勝負！！』
2時間後。
あっつー間に3万が溶ける。
『まだまだ！あと3万ある！』
21時過ぎから甘デジで勝負するも惨敗。
結果は35000円負け(完全に鬱状態)
帰り道にふと考えると、借り入れが可能になった瞬間に…
『限度額まで借りて大丈夫なのかな？』
この時、私の全身から震えが止まらなかった…
理由は…
『このまま突き進むと破滅するんじゃないか？』
嗚呼…
※ギャンブルは麻薬です…
借入376万
借入件数6件
毎月の支払い28万
