博打との死闘

博打のヒリつきに狂い借金を重ねていく実話

二十一話・4号機により危うく人の道からハズレそうになった。

2018年、8月14日

朝一、スロット専門店『サントロペ』にて狙い台を確保するために並んでいた。

パッと見て30人程の並びである。

 

客はお盆の最中でも意外にいるんだなぁ、と感心してる間にオープン、争奪戦が開始される。

 

私の財布には2万しか入ってない。口座に少しばかり入っているが、それは使えない。

 

最初の五千円が勝負どこである。

 

無事に狙い台を確保した台が『マイジャグラー

 

二千円でレグ、ビッグと引き.悪くない出だしであるが…

 

昼過ぎまで健闘するものの、遂に出玉が飲まれてしまう。直感的によくても設定2、相変わらずお盆は回収期間である、周りを見渡しても大惨事である。

 

ここは撤収し、店を『アビバ』に移動するも4円には客がいない。昼過ぎでも客がいない、

とてもじゃないが勝負出来ない、近隣の店舗もチェックするが、ほぼ回収台である。

 

試しに等価の1パチでミドル牙狼ウルトラセブンを打つも全く回らない。

 

今の私は20年前と変わらず、常に金に困っている、いや妻が仕事を辞めたためにそれ以上に困窮であるのが事実である。

 

郵便局の隣にある公園のベンチに一時避難し、缶コーヒーを飲みつつ、マルボロメンソールを根本まで吸いながら、思考回路を回復させる。

『はぁ、1パチごときに一万も使ってしまったよ…使える残金は6千円までだな、ビールを買って部屋で南関競馬で勝負するか、郵貯に入金しよう』

 

『しかし、4号機があった頃は一撃があり夢があったなぁ、今は不確定要素の高い3連単しか夢がねーよなぁ、とほほ』

 

 

 

話は2002年に遡る。

戸塚に転職してからは、ある意味幸せな生活を送るも日々の借金生活とは縁が切れない日々でもあった。

 

この頃は仕事帰りに大船にあるスロット専門店『ジュノー』によく通った。

 

店内はビルの地下にあり薄暗い雰囲気の店であり、スロットするには悪くない店であった。また店員がキャバ嬢みたいな制服で若い女の子ばかりであり、可愛い子も多かったのは事実である。

 

この時代の4号機は一撃万枚は不思議では無かった。

 

なんと言ってもこの店は台の上に札が全台に刺さっていて、その札が設定の目安になっていた。またこの店はガセが少ない為に信頼性も高いのである。

 

札には『社長、課長、部長』とか『設定2以上、設定4以上、設定5.6かも』が書かれていた。

 

私が当時ハマっていた台は泣く子も黙るバケモノの様なストック機『カンフー列伝タイプA-711』であった。カンフー列伝に関しては必勝ガイドやその他の雑誌にも特集では扱っていなかった。

※恐らく解析するとほぼ裏モノタイプなために誌上には載せられなかったのだと思う。

 

私はネットでしつこく調べ上げた結果、複雑なモード移行があり、天国ゾーンに突入すると95%の128ゲーム以内の連チャンループするネタを掴んだ。

 

このネタは驚愕であった、711枚が永遠に出るのである。

ちなみに天井が1975ゲームでそこまで回すと八万近く失う怖さも兼ね備えていた。

 

 

何も知らない婆さんが1800近くまで回しているとハイエナ連中がピッタリと張り付くのをよく見かけたが、私はそんな糞みたいなハイエナが大嫌いだったため、ジジババには必ずカンフー列伝の場合は天井を教えていた。

 

『おはぁちゃん、もう少しで天井だからね止めると後ろのガキどもに取られるから頑張ってね』

と耳元で囁いていた。

 

ある日、仕事帰りに『ジュノー』をのぞくと列伝の島になんと!滅多に刺されていない『設定5.6かも』の札が刺されていたのであった。時は21時過ぎの為か、たまたま席が空いたのである。

 

私は速攻でその席を確保し、アコムから五万を引き出してから勝負した。

※コインの飲み込みが早いために念のために大目に借り入れし万全の体制で勝負するのである

 

8千円を入れた21時半頃にレグを引き、128ゲーム以内にポコポコと当たりを引き始めたのである。引き戻しモードから繰り返し当たり、22時に天国ゾーンに突入したのである、もうフルウエートのブン回しである。

 

23時に店員に肩を叩かれ、

『お客様、もう打たないで下さい』と告げられその日は終了したのだがわずか1時間半で4千枚は出たのであるから恐ろしいのは分かるであろう。

 

帰りにアコムに五万を返済し、帰宅するものの

『ジュノー』は据え置きをする店であるのも知っていた。

 

私は次の日がどうしても朝一から打ちたいがために、朝、会社にズル休みの電話をした。

 

『今日ちょっと調子が悪いんで休んでもいいですか?』

 

社長『何言ってるの?無理に決まってんでしょ、熱が出ても来て下さい、息子の嫁さんが産休で田舎に帰ってるから、悪いんだけど絶対に来て下さいね』

 

この社長はギャンブルは好きな人だが、とにかく良い人間なのである。義理堅く、人情味があり素晴らしい人間性なのである。

 

『分かりました、今日は会社に行きますので』

 

自分のクソさに嫌気がさした…

 

『俺はなんて奴なんだ、危なく人の道をハズレるとこだった…社長、悪かったよ…』

 

その日は、強烈な忙しさであり残業覚悟であった。仕事は21時半に終わった。

 

それでも昨夜に打ったカンフー列伝が気になる

 

 

22時頃に『ジュノー』に寄り、列伝を見た瞬間に過呼吸になるかと思うほどの光景がそこにはあった…

 

6万枚…

 

もう一度言う

『6万枚=120万』

 

私は放心状態で暫くその場で動けなかった…

 

『ジュノー』最高出玉枚数の記録をぶっちぎったのである…(私が天国ゾーンに入れたまま帰宅したのがキッカケである)

 

今後、閉店間際に天国ゾーンに入ったら会社を休む決意をした瞬間であった。

※いや、冗談です、休んでませんからね。

 

(ちなみに2018年8月14日は南関にて無事に二万は取り返しました)

 

 カンフーレツデン(功夫烈伝)

山佐が2002年1月に発売したパチスロ機。4号機のストック機である。
『カンフーレディ』に続くカンフーシリーズの第2弾。前作とは大きく異なり、ビッグボーナスは簡単な目押しでほぼ711枚が獲得可能な大量獲得機になっている。また、ストックシステム、モードシステムを採用し、連チャン時には一気に大量のコインを獲得できるが反面ハマリもきつい。天井はボーナス間1975ゲームである。

ボーナスは全てストックされる。放出は現在滞在しているモードによって異なる放出抽選に当選すると最高5ゲームの前兆を経由したのちに放出される。現在のモードとボーナスの種類、設定によって次のモードが決定される。モードは6種類ある

 

借入件数3件

借入額160万

毎月の支払い65000円

車のローン残り60万

 


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