二十二話・2000年問題と借金返済の苦悩。
2018年8月19日
札幌記念は負けたか…
前日予想で、マカヒキを切った時点で終わってたな…
最近は体の調子があまり良くない。当然である。
今月は夜も朝も御飯をまともに口にしていないからだ。
仕事は絶対に休めない。
私は小さな店を構えている。仮にも個人事業主と聞こえはいいが内情は地獄である。
お客さんが来なければ終わりである、休んでばかりいれば信用を失い、失客する。
つまり日銭生活と何も変わらないのである。
『勤めていたほうが、楽だったよ、社会保険や給料がちゃんと貰えたし…』
これは常に頭から離れない言葉であるが、今は意地とちっぽけなプライドのみで働いている。
常に金策の事が頭から離れなければ『飯も喉から通らない』を身をもって感じているのだ。
私は昔から、ちっぽけなプライドだけは捨てれない性格なんだと思う。
あれは1999年から2000年に変わる時であった。
世界では『2000年問題』によりコンピュータに狂いが生じるだとか、ノストラダムスの予言により世界が滅亡するとかで混乱が巻き起こっていた。
私の場合はアコムとアイフルへの返済が12/30迄なので間に合うかどうかの一刻の猶予もない状況であった。
『2000年問題なんかどうでもいい、返済出来るのかの瀬戸際なんだぞ!』
とテレビに向かい叫んでいた記憶がある。
私はこの当時、借金がある分際で地方から上京してきた彼女とお付き合いをさせて頂き、さらに図々しくも同棲をしていた。
(無論、家賃は半分と駐車場代も払っていた)
彼女は年末年始は田舎に27日から帰省するとのことで私のちっぽけな見栄で5万程手渡し
『兄弟や親御さんに旨いもんでもご馳走してあげてね』
と言い、駅まで見送った。
私も彼女には家に帰省すると言ったが実際には帰ってない。財布には一万しか入ってない、ガソリン入れたら終わりである。
帰省しても兄夫婦達が来ているため、姪っ子にお年玉も上げなくてはいけない…
帰れない…
そして一人虚しく正月を迎える前に返済が迫っている。
焦りと恐怖が突然、怒涛の如く襲ってくる…
遂に、タイムリミットの30日がきた…
返済の四万がどうしても作れない。
仕事帰りに無い知恵をフル回転させて出した答えは…
アコムカードを作った際にマスタークレジットも付いていたのを思い出したのであった。
裏技ではあるが、当時の新台であったプレステ2(値段は確か…4万くらいだったような…)をクレジットカードで購入し、そのままの状態で即買取してくれる販売店に売りに行ったのである。
※3万近くで買取してくれたので助かった。
そしてそのまま、借金返済ビル(同じビルにアコムとアイフルが入っていた)に返済しに行く。
2万づつの返済だが、そこは慣れなのか、アコムに2万を返済し、即座に一万を引き出し、またアイフルにも2万を返済し、即座に一万を引き出す。通称『大車輪』とは少々違うが私にとっては死活問題であるからこその技なのだ。
すると手元に2万以上が残るのである。
難を乗り越えたが、虚しかった….
プレステ2を一度も触ってないとは…
情け無い…
2000年に日付が変わると同時に彼女からのメールが入る。実に幸せそうなメールの内容であった。
私はコンビニで購入した、年越し蕎麦のために緑のたぬきと缶ビールと軽いツマミとパチスロ必勝ガイドを買っていた。
新年を迎えた早々に幸せどころか、虚無感に襲われるだけである。
『まぁ、とにかく明日は朝から打つかな…』
※博打打ちにとっては正月なんか関係が無い。
元旦、朝一から2万を握りしめて私は初打ちに行った。
『一年の計は元旦にあり、負けられない闘いだぞ、頑張れよ』
と誓い、戸塚の郊外店『スクランブル』の大花火で勝負するも午前中しか持たないとは….
とほほ…
元旦からパチ屋の駐車場で頭を抱えてうずくまる姿はまさに悲惨である。
『あかん…もうダメだ…』
『中古で買ったホンダの『インスパイア』を手放すか…いや、それはダメだ』
金策に奔走する正月だったのは忘れない。
そして車でガソリンが持つまで正月から営業している無人機(消費者金融)を探すとは…
まさか、正月から四枚目のカードを作るとは夢にも思わなかったのであった。
※借金がある事は誰にも話していないためにストレス値はMAXである(現在進行形)
いやぁ。恐るべし、パチスロ。
(パチスロは麻薬です)
『セイウンスカイ』です。
借入件数3件
借入額160万
毎月の支払い65000円
車のローン(65万)