博打との死闘

博打のヒリつきに狂い借金を重ねていく実話

三十話・ミリオンゴット編&換金所事件

2018年11月

 

耐え難き苦痛に襲われている。

 

 

勝負馬券が全て出遅れなのだ、ツイてない…

 

 

今は勝負熱を冷やす時期なのだろう。暫くは博打から離れるしかない。こんな時に一発逆転は皆無である。

 

 

 

 

これは博打打ちとしての経験で分かる事だ。

 

 

 

おかげで携帯電話料金の支払いもギリギリのラインである。

 

 

こんな日々が一体、何十年繰り返されるのだろうか?

 

 

 

 

2002年にまたもやモンスターマシンが登場した

知らない人はいないだろう、ある意味大量破壊兵器

『ミリオンゴット』

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こいつとの闘いで完全敗北をした日の事を思い出す(5号機のゴットも無理)

 

 

あれは藤沢のパラッツォ北口店での出来事だ。

いつも連れ打ちしている岩佐と打っていた時だった。

 

 

私はAタイプの『不二子2』

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コツコツと千枚ほど出しながら楽しんでいた時だ。

 

そーっと岩佐がやって来て。

 

 

言葉を発せずに連れて行かれた。

 

 

 

そして台に向けて指を指す。

 

 

 

『なっ…⁉️』

 

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岩佐がニヤリとドヤ顔…

(この野郎、ふざけやがって…)

 

※ちなみに岩佐は川崎時代の一個上の先輩。

 

 

 

その後、奴はあっつー間に万枚近く出していたのだった。

 

 

ゴットの射幸心は半端では無かった、不二子2なんか打ってる自分が愚か者に見えた。

 

 

 

無論、岩佐に焼肉をご馳走になったのは当たり前の事である(私も不二子2で三万勝ちだけどね)

 

 

 

そんな出来事があり、私の頭の中はゴットしか考えられなかった。

 

 

ある日、1人でゴットに立ち向かった日を未だ鮮明に覚えている。

 

 

 

決戦日までは毎日、解析に天井や出目などを頭脳にインプットしていた。

(まずは敵を知れは基本中の基本)

 

そして決戦の日を迎えて勝負に出た。

予算は7万だ。(天井を考慮し)

 

 

いざ勝負!

 

1時間後、諭吉が3人消えていた…

まだまだ!続行だ!

(続く)

 

 

 

 

 

話は逸れるが、私がパチ屋で激怒した事が何度もある(当時17歳)

 

 

 

当時の新装開店は凄まじかった、並びが半端では無い、時刻は18時開店から閉店までのハウスルールがあり鉄火場は必須。

 

 

開店と同時に猛ダッシュかまして台を確保するのだが、転ぶ人、クソ台しか取れなかった人

叫んでる人等が大勢いたが、大音量の軍艦マーチの音により、敗者の叫びは打ち消される。

 

 

 

私はアラジンコーナーに一目散に走り抜けて僅差で掴み取ったのだ。

 

新装開店での勝負台は

『アラジン』

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早速回すと、千円でアラチャン(アラジンチャンス)をゲット。

 

やはりモーニングを仕込んでたな(ニヤリ)

 

アラジンのシングル集中(平均900枚は抜ける)は実に気持ちが良いのだ。子役の月星やラクダが揃った時の重低音は何とも言えず、怖いのはパンクだけである。

 

 

 

 

もう6は確定だな(新装だからね、え?)

 

 

 

とにかく23時までブン回すのみ!とレバーを引っ叩いていた。

 

 

 

1時間後…

 

 

アラジンのシングル集中は実に時間が掛かるため短時間ではブッコ抜けない。

 

 

丁度、千枚ちょっとしか出てない状況の時である。

 

 

 

突然、店内放送が鳴り響く。

 

 

『本日の営業はトラブルがあり、20時で閉店します、申し訳ありません』

 

 

 

打ち手達は激怒!私も激怒!

 

 

 

 

 

しかし、ドスの効いたパンチパーマの店員がタバコをくわえながら応戦し、みな納得せざる得ない感じである。

 

 

 

※この店には2人のパンチパーマの店員がいて、カウンター前でいつもタバコを吸っている。

 

 

またカウンター前には灰皿が置かれていてヒモでぶら下がってるライターもあり、客は普通にそのライターを使い灰皿も利用していた。

 

ライターは台確保で置いていても知らないおっさんが勝手に持って行ってしまう(窃盗だよ)

 

なのでゴムヒモで何本かぶら下がっているライターをみな重宝していた。

 

 

そんな和やかな雰囲気で客もパンチパーマの店員達とタバコを吸いながらカウンター前でよく談話をしていた記憶がある。

 

 

 

 

※ちなみにトラブルの原因は大量に出玉が放出した為、玉が空になっていた理由らしい。

 

 

 

『ふん、ならスロは関係無いな』

 

 

と呑気に打っていると20時を超えてしまった。

 

出玉はまだ1箱…

 

パンチ(清水健太郎似)が近づき一言

『おい、小僧。もう終わりだ、観念しろ』

 

『ふざけんな、このアラチャンが終わるまで叩かせろ!』

 

 

 

しかし、抵抗虚しく、店の電源を落とされてしまったのだから仕方が無い。

 

 

パンチに歯向かったらモヤシの私なら殺される。

 

 

結果は25000円勝ちなのでOKだ。

 

 

 

しかし、問題が発生する。

換金所に行き交換をしたらどう考えても五千円が足りない。

 

 

私『おっさん、足りないよ』

 

 

 

換金所のオヤジ

『…(無視)』

 

 

 

私『おっさん、ピンハネしねーで早く出せよ』

 

 

換金所のオヤジ

『いや、間違ってないよ』

 

 

 

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『はぁ?ふざけんな!足りねーんだよ💢』

 

オヤジ

『…(無視)』

 

 

 

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換金所の小屋を蹴り始める私。

 

 

 

『早く、出せコラぁぁぁぁ💢』

 

 

 

換金所のオヤジが窓口を閉鎖する暴挙に出た。

 

 

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小屋に向かっての蹴りが私の怒りの沸点に到達した。

 

 

すると、店員のパンチが私に近づき止めに入った。

 

 

『小僧、諦めろ、このオヤジはよくやるんだよ、ったく。今度、良い台を教えてやるから今日は帰れ』

 

 

 

ドスの効いたパンチに言われたら引き下がるしか無い。

 

 

『まぁこれでも飲めや、ほら』

と店の余り玉で貰えるヤクルトを手渡してきた。

 

えっ?

これで終わり?

 

 

 

俺の五千円は?

(とほほ…)

 

 

虚しく帰った記憶は忘れない。

 

 

 

 

そして1番参ったのは渋谷の換金所事件だ。

 

 

 

私が渋谷にある専門学校に通っていた頃の話。

 

 

学校はラブホテル街を超えたとんでもない場所にあるのである。

 

問題はそこでは無く、渋谷の換金所で起こった。

 

 

当時はチーマーと言われる半グレ集団が渋谷を中心に活動していた(何を?)

 

 

親父狩り等はチーマーの連中がやっていた小銭稼ぎでもある(へー、棒読みで)

(有名人の被害者は大和田伸也とか)

 

 

 

学校の帰りにクランキーコンドルでウハウハの勝ちを決め、換金所に向かった。

 

換金所までは店から少し離れた人通りの少ない場所にある。

 

 

そしてカドを曲がり換金所に近づいた時だった

 

 

『ゲッ…』

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こんな連中が換金所の前にいやがる…

マジかよ…

 

 

チーマー

『おっ、お兄さん出したねー、換金所は知ってる?』

 

(関わりたく無い)

 

 

『あー、知ってますよ』

 

 

と言いつつUターンして店に戻ろうとするが、店の出口にも連中がいる。

 

(終わった…)

 

 

チーマー

『どこに行くの?換金所はこっちだよ、来なよ』

 

 

『…』

(行く訳ねーだろ!この田吾作がぁ、カツアゲですか?)

 

 

袋小路からゾロゾロと連中が出てくる。

 

 

『お兄さん達そこ、どいてくれません?

換金したいんですが…』

 

 

チーマー

『いいから来いや!』

 

(アホか、だからね、んなカツアゲ1択な場所に行く訳ねーだろ、しかも絶対に殴るだろ?このクズ野郎が)

 

 

非常にヤバイ状況である、金を取られて殴られる可能性が高い…

 

 

 

もはや、換金は諦めて駅まで猛ダッシュしか無い。

 

 

しかし、駅に行く近道を連中が封鎖している。

 

 

 

いや、会話で解決するしかない。

 

 

ありえない、絶対に無理だ。

 

 

 

 

もはや選択肢は強行突破しか無い、走る、走れば駅に着く。後は駅員に頼んだ!

 

 

 

 

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決意した。漢ならば闘うしかない。

 

 

『うぉぉぉぉぉぉぉぉ!』

 

 

 

突っ込んだ

 

 

 

駅に向かって、1人だけ吹っ飛ばした。

(1番小さいガリ男君に狙いを定めてた、すまぬ)

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反対側にあるパチ屋の地下を抜けて走った。

 

 

走り抜けた…

 

 

後ろを振り返ると、やはり追ってくる…

 

 

 

(お巡りさぁーん、捕まったら殺されるよー)

 

 

 

『うぉぉぉぉぉぉぉぉ!』

 

 

 

全力で一騎駆けをし、定期を咄嗟に出し京王線の改札口を滑り込む。

 

 

 

『セーフか?』

 

 

パッと後ろを振り向くと…

 

 

 

さすがにここまでは追って来なかった。

 

 

 

『助かった…いや、俺は勝ったんだ、慶次殿、私は勝ちましたぁ!』(何に?)

 

(ガリ男君…君が1番弱そうだったから…ごめん)

 

 

 

震えが止まらず鼓動が激しい…

 

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私は慶次のキセル風に一服し、心を落ち着かせていた。

 

 

 

『助かった…』

 

 

 

※1週間後に無事、換金し2度とその場所に近づく事は無かった。

 

 

 

 

ミリオンゴットに話は戻る

 

 

三万の諭吉を放出し、一発だけゴットゲームを引いたが、即飲まれて追加投資開始。

 

 

 

1500の天井に向かっている事に気づいた時はすでに7万が溶けていた。

 

『なっ…』

 

 

天井前で止めるバカがこの世にいるか!

 

 

ATMにダッシュし、またもやアイクから三万の金を引き出し勝負する。

 

 

 

天井に到達。

『ふん、これから万枚だ!』

 

 

 

1555ゲームが抜けた…

 

 

えっ?

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1600ゲームを超える…

 

 

 

 

はぁ?

 

 

 

1650ゲームを走り抜けて気がついた、いや気づいていた。

 

 

ストックが飛ばされてる…

 

 

10万負けた…

 

ちょ

 

嗚咽

『オェッ』

 

 

ちょっと、歩けない…

 

 

杖を持った爺さんのような足取りでフラフラと帰った。

 

 

全身から魂が抜ける感覚でシャワーを浴び布団に潜り、心を、落ち着かせるために本を読む。

(プッチ神父素数を数えて平常心を保たせる感じで)

 

 

 

帰宅して読んでいた本が『ジョジョ第4部、吉良編』である。

 

 

き、吉良吉影の能力が欲しい…

 

 

 

ヴィツァダストの能力でパラッツォ北口店を爆破したいとは誰もが思うだろう。

 

 

 

『カチッ』

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(実話です)

 

借入額300万

借入件数5件

毎月の支払い15万

 

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