二十四話・史上最強機種『獣王』(加速して行く借金のきっかけでもある)
2018年8月24日
呑気に3日間だけお盆休みだと言う理由だけでまた、散財してしまった…
博打は多少勝ったが、終わりのないのが博打。
私には倹約は出来ないのか?
否
出来る。
あれは1994年の頃だった。
借金持ちの分際で平塚のアパートを借りて同棲なんて考えられない。
何故、彼女が出来たのか?
それは当時の出会いは現在のようなデリヘルみたいな感覚は全くなく、合コンやナンパで出会うのが自然なスタイルだった。
が、私は違った。
大船の駅前にはどデカイ観音像が鎮座している目の前に一軒の不謹慎この上ない程の下劣な看板がデカデカと飾ってあるのである。
その看板とは…
『テレクラ』
テレフォンクラブである。噂では聞いた事があるが入ってみない事には体験出来ない。
※テレクラとは個室があり(現代ならネットカフェみたいな感じ)その部屋にある電話に全く知らない女性達からの出会いを求める声があるのだ、感触が良ければ、会ったり、食事に行ったりするのである。
個室は時間制によって値段は代わり、また電話を受け取るためのテレフォンカード(10分〜60分)を購入するのである。
初めて入ってみるとアダルトビデオ専門的みたいな雰囲気であり、店員もチンピラみたいなおっさんがいるだけであるが、個室にはそこそこお客さんが入っている。
『あの、これはどうすれば?いいんですか?』
とチンピラに訪ねると、ぶっきらぼうに説明してくれた。
『そこにある、説明書を読んでみて、あとテレフォンカードは一応、電話の途中で切れる可能性あるから60分のやつを買っときな』
『はい、分かりました』
個室に入ると、数分もすれば電話が鳴る時もあれば、1時間待っても鳴らない事もある。
話は長くなるので割愛するが、私はそこである看護婦の見習いと出会い、合コンまで発展させたのである。
そして看護師達の合コンで出会った人こそが当時の彼女であった。(ある意味、最低だが、世の中はそんなもんである)
同棲して一年が経つ頃に私の財政はいつもの如く困窮を極めていた。
家賃5万+光熱費2万
駐車場2万+ガソリン代2万
食費2万
これだけで13万に借入金返済の8万を足すと…
21万
さらに年金、健康保険で4万が無くなる。
即ち、生きるのに25万も掛かるのである。
残金は5万…
逼迫状態である。
『もはや、タバコは止めて、昼も弁当を作っていく』
と誓い、倹約生活を始める。
倹約生活を初めて、2週間後の事であった。
私は帰宅途中にあるコンビニに寄り、新刊のパチスロ必勝ガイドを購入する。
熱狂的なパチスロ必勝ガイドのヘビー読者であったため、その号も隅から隅まで目を通した。
そしてその号にはとんでもないモンスターマシンの記事を目にしてしまう。
史上最強のモンスターマシン
Sammyの天才社員が生み出した台こそが
知る人ぞ知る
『獣王』
獣王に関する記事は全て網羅した(しのけん、が在籍しているスロマガまで購入)
予習は完璧だ。
後は入荷するのを待つだけである。
1週間後…
ついに獣王は藤沢駅の北口にある『パラッツォ北口店』に入荷されたのである。
仕事帰りの月曜に新台が入ったために様子を見に行くが凄まじい出方をしているがハマりも凄まじい。
私は火曜が休みのために閉店までチェックし、明日に備えるために上げ狙い台を二台ほど候補にし、一時帰宅するのである。
パラッツォ北口店の抽選は朝の6時からである、恐らく6時に行っても台は取れないために私は5時に到着するように、車をかっ飛ばした。
到着するとすでに10人程の並びである。
『みんな、さすがだな…』
抽選が開始される時間帯には200人近い人の並びであった。
恐るべし、獣王…
私はラッキーな事にその日は並び順に札番号が渡される。
『11番』
6時に番号札を渡されると一時帰宅するのである。
そして8時45分頃からまた並び、9時に開店ダッシュを決めるのだ。
『獣王と向き合うには財布の中の三万では足りないだろう、天井を喰らう覚悟でアイフルの増額された5万を引っ張って行こう』
※アイフルの限度額が50万から80万にまで増額された月日でもあったのを知っていたのだが借りてはいなかった。
すでに頭からは『倹約』の文字は消えていた。
開店ダッシュを決めるも、なんと、自分の前にいた10人の連中が私の狙い台候補二台が取られてしまっていたのだ…
こんは場合は咄嗟に判断しなくてはいけない。
野生の勘だけではパチスロは負ける。
博打は運だけではまかり通れない。
新台2日目で一番目立つカド台をゲットする作戦に変更したのだ。
60台程、入荷された獣王の島は地下1階にあるのだが、階段側とエスカレーター側があり、私は階段側のカド台を選んだのである。
理由がある。
『設定師との闘いでもあり、パラッツォの設定師は新台2日目に必ず何処かのカドに6を入れて来るはずだ』
この当時は店にまだ設定師がいたのである。
そしてF1の音楽が店内から流れればスタート開始である。
投資4千円で
『ピロリロリーン』とマングースが横切る
『はぁ!こ、これは』
シマウマが騒ぎ出し、ゾウが雄叫びを唸りだす
そしていきなり『サバンナチャンス』
通称『サバチャン』
サバチャンが3連で終わるもポコポコとサバチャンを引いては3連で終わる
まさか…
この単独ATを繰り返しヒケるつー事は…
昼過ぎには二箱だが、確信したのである。
『このATの当たり方は間違いない、設定6だ』
とりあえずコーヒーを買いに行き、岩佐(川崎時代のクズ先輩)にメールをした後に携帯電話はシャットダウン。
獣王の設定6をゲットしたのに、お昼休憩なんか愚の骨頂だ。
タバコとコーヒー一本で閉店まで一度も立たずにフルウエートのブン回しモードに切り替える。
時は17時過ぎに大波が怒涛の如くきた。
『深い連ゾーンに突入したな』
17連、25連…
もうサバチャンの音で気分は至福である、まさに王者の気分でノリノリである。
閉店10分前には、万枚は超えていた。それでもフルウエートで叩きまくった。
店員
『お客様、閉店ですのでお止めください』
最後の客である私のコインをコインカウンターに流し始める
12850枚…
私のパチスロ歴史の中でも最高枚数である。
至福である、当時のスロッター達のステータスである万枚をこの手で初めて掴んだのである。
パラッツォの駐車場から出た時間は23時30分
そしてクズの岩佐に万枚報告の自慢をし、帰宅するのであった。
しかし、朝の5時から並びをかまして、17時間もパチスロに関わっていたとは…
獣王
投資4000円
回収257000円
だがしかし、今後はこの辺りから完全に金銭感覚が失われて行き、超加速装置がついたかのように負債額が膨大になって行くのである。
獣王
初代爆裂AT機。15枚役をガンガンナビするサバンナチャンスが、アホみたいに連チャンする合法連チャン機。(当時、この機種が出るまで裏モノ以外で連チャンというのは4号機では基本的にオカルトだらけだった。裏モノは別ですよ、裏モノは)ベットで始まるサバンナチャンスランプ&けたたましい音はバカな大人たちを刺激しまくりました。上乗せ有り・高確率状態と低確率状態あり。サンダーVが近代パチスロの祖だとするなら、獣王は、間違えなく現代パチスロの祖です。2002年くらいにパチスロやってた人と話をあわせるなら、「アチィですよねえ。サバチャンあちぃですよねえ。右リールチェナナ、アッツいですなあ」とか適当に合わせておけば大丈夫です。
借入件数3件
借入額180万
毎月の支払い8万
車のローンは別(残金56万)