博打との死闘

博打のヒリつきに狂い借金を重ねていく実話

十話・パチンコ必勝ガイドの田山プロとの出会い

90年代から私はパチンコ必勝ガイドとスロット必勝ガイドのヘビー読者であった。

 

ガイドなら、田山プロや安田和彦のコラムが好きであった。スロットガイドは破茶滅茶な企画が面白く、ショッカーや91時間バトル等、非常に楽しく読めたのである。いまだにアニマルかつみや、グレハニスト内池(沖ヒカル)達は人気ライターである。

 

ある日、あまり近寄らなかった(悪徳店で有名だった)溝の口の駅前にある『ビックスペース』に入り全台をチェックしていると…

 

なんと!いつもはナナシーしか打っていない田山プロがいるじゃないか。田山プロはその店の二階にあるハネ物コーナーで『ニュートキオ』を打っていたのである。

 

コラムを熟読している私は田山プロと、たまにつるんでいる、ヤカン君や皮ジャン君にも気づいた。

 

『伝説のパチプロはネグマをここにしたのか…

でもこの店は悪徳店だぞ、大丈夫か?』

 

気にはなったものの、いきなし声をかけるのも失礼である。私はとりあえず一階にあるデジパチでも釘の良さげな台を確保し、出したらお茶でも差し入れしようと考えた。

 

私の勝負台は西陣の新台でもある『あんたはエライEX』(最後の現金機でもあるがクソ台でもあった)で打ち始めた。

 

打ち始めて投資三千円で確変がヒットした。

『よし、この確変が終了したら田山プロに挨拶に行こう。』

 

確変に入ると三回ループする仕組みであるが、この台はマイルドなタイプなためか、確変中でも確率が1/230なので玉は減らないがいつまでも次の当たりが来ない悶絶な台であった。

 

シビレを切らした私は台から一旦離れて、意を決し田山プロに差し入れに行った。

 

田山プロに近づくと彼はニュートキオで2箱出していた。

 

田山プロは一服し始めた。

 

これはチャンスだ。

 

『こんにちは、いつもコラムを読ませて貰ってますよ、お身体の具合はどうですか?良かったらお茶でもどうぞ』

※この頃から何かの病気と闘っていたと思う。

 

 

田山プロ

『ありがとう、君は何を打ってんの?』

『あんたはエライEXです』

田山プロ

『そうか、新台は回るの?厳しいお店だから頑張ってね』

と会話した。

 

何となく嬉しかった思い出である。

 

このくだりは彼のコラムにも掲載された。

無論、彼の本『パチプロ日記』は持っている。

 

※田山プロは壮絶な闘病(舌癌)の末に2001年にこの世を去る…

一人ものの田山プロを当時の必勝ガイド編集長・末井さんは最期まで付き添い、見送ったのである。

 

『恐らく、あの頃から舌癌を患ってたんだろうな…』と今もそう思っている。

 

 

 

田山プロは、16時にはもう姿は無かった…

『いつもの一杯を引っ掛けに行ったんだろうなぁ』

 

 

そんな事を考えながら『あんたはエライ』に戻り再び、打ち始める。

 

5時間後

 

怒り💢はMAXであった。

 

三回ループなのにワンセットが終わるのに5時間もかかったのである。

 

『ケッ!二度と触る事は無いな』

 

不遇台のまま『あんたはエライEX』は次の新台入替時に撤去されていた。

 

『田山プロはこんな悪徳店&クソ台だらけの店をネグマにして大丈夫か?』

※ネグマ=ジグマ

 

と心配したのは確かであるが…

 

人の心配より自分の借金が今後、増えていく事に気付かない愚か者であった事も確かであった。

 

 

 

※キューティーバニー編は時間軸がズレるので、いずれ書きますね。

 

借入件数2件

借入額30万

毎月の支払い45000円

 


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